プランナーってどこまでできるんだろう。
2018 年 5 月に東京から妻の地元である福井県小浜市に引っ越してきました。東京でプラ ンナー(都市計画コンサルタント)として約 9 年間、小浜に来てからは地元のまちづくり会 社(地域 DMO)で約 2 年間働いて、妻と合同会社を立ち上げて 2023 年 10 月からは 5 期 目を迎えました。周りの方々に恵まれ、助けてもらいながら、基本的にはずっと楽しく働け ているような気がします。東京でも各地の業務を通じた楽しみはあったけど、それとは違う、 小浜市という一つの地域を拠点にしているからこその愉しみも数多くあることを感じなが ら過ごしてます。
移住するなんて思ってもいなかった
東京では、各地の公共空間に係る計画や活用推進、地区まちづくりや景観まちづくりの支 援・調査など様々な業務に携わる機会に恵まれました。一方で、働いていた事務所には福岡 と三重に地域事務所があり、地域に特化して業務を請ける分、各自が様々な分野・テーマの 業務を担当することも多いようで、専門性に加えて、より総合性が求められているという、 プランナーの働き方が東京での自分の働き方とずいぶん違うのが自分の中で何か気になっ ていたように感じます。
同じ事務所内でも、東京と地方で働き方が違うことを感じながら、入社 5 年目くらいか ら社外の同世代と勉強会や研究会活動にも取り組む中で、様々な方との出会いが自分を成 長させてくれていることを実感しつつ、それが業務にも生かせていたように思います。事務 所内でもプロジェクトで任せてもらう内容や範囲も増える中で、育ててもらうだけではな く、後輩を育てることやプランナーとして何を強みにして生きていくか、深く関わるプロジ ェクトをどう作り上げていくか、そのようなことを考えながら、やること、やりたいことが たくさんあるなと思いながら働いていました。
身の回りの「時間」を考えることが増えてきていた
地方を訪れると、その地に降り立った瞬間から感じる東京とは違う空気と時間。都市・地 域を考えるときに当然として空間の力は信じているんだけど、東京と流れている時間が違う ことを意識するのが重要なんじゃないかとある時から思い始めていたような気がします。時 間の感じ方とか、人間の関係性とかも含めて、プランニングに活かしていけないのかなと。 そのくらいの時期に、大学の同級生がプレイスメイキングの博士論文をまとめ上げ、研究過 程で一緒に活動もしながら、業務でも公共空間の利活用やプレイスメイキングの調査に携 わる中で、「プレイス」という言葉に何か糸口が見えたような気がしました。
地域外からの目線だけじゃなくて、地域内での実感もつかみたい
小浜市は人口 3 万人いない規模の町で、それまで住んできたまちと規模が全く違ったの も、引っ越してきて新たな意識で取り組む(「時間」のことを考える)のに良い条件だった と思います。日々の生活の場と働く場が近く、地域の人たちともコミュニケーションを取り やすい状況に身を置きながら、地域でいかに稼いでいくか、地域でどう役に立っていくかを 考えることで、地域での暮らしを味わいながら、地域の良い面や課題などを実感できたり、 プランナーとしての視野を広げるためにも大切な時間をつかめるのかなと。